共板フランジ工法ダクトとは?特徴やアングルフランジとの違いを徹底解説

皆さんこんにちは。

山口県岩国市を拠点に、全国で商業施設や学校・工場などで保温・板金工事を手掛けている沢井保温工業株式会社です。


「共板フランジ工法とは具体的にどんな仕組みなのか」「アングルフランジ工法とは何が違うのか」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。どちらも空調設備には欠かせない接続方法ですが、正しい読み方から実際の強度、そしてコストパフォーマンスには明確な違いがあります。


この記事では、共板フランジ工法の基本的な仕組みや読み方はもちろん、他工法との比較、そして保温工事のしやすさといったメリットについても解説します。建物の空調設備を担当する設計者や現場責任者はもちろん、効率的でメンテナンス性の高い設備づくりを目指したい方は、ぜひ参考にしてみてください。


■共板フランジ工法ダクトとは?



共板フランジ工法は、現代のビルや店舗の空調設備で最も多く使われているダクトの接続方法です。従来のアングルフランジ工法のように、別の鉄の枠を溶接して取り付ける必要がないため、工事のスピードを格段に早めることができます。コストパフォーマンスに優れており、標準的な仕様として多くの建築現場で採用されています。


・接合の仕組み

この工法は「ともいた」フランジ工法と読みます。ダクト本体の端をそのままフランジ(つなぎ目部分)として利用するのが特徴です。接続作業では、ダクトの四隅にコーナーピースという専用の部品を差し込み、ボルトとナットを締め込んで固定します。さらに、辺の部分をクリップという金具で止めることで、内部の空気が漏れない性能(気密性)を確保します。溶接などの火を使う作業が不要なため、設置現場での安全性が高く、効率的に作業を進められるのが良い点です。


・折り曲げ加工による一体構造

共板フランジの大きな特徴は、ダクトの板そのものを機械で折り曲げて製作する一体構造にあります。別の重い部材を付け足さないため、ダクト自体が軽量になり、建物への負担を減らすことができます。板厚(鉄板の厚み)が薄い場合でも、表面にリブと呼ばれる溝のような補強加工を施すことで、十分な強度を保てる設計になっています。工場で自動的に加工できるため、大量のダクトが必要な大規模な換気設備や室内空調の現場でも、安定した品質でスピーディーに対応できるのが強みです。


■他工法との違い



ダクト工事の工法には、共板工法のほかにもいくつか種類があります。それぞれの工法は見た目が似ていても、耐えられる風圧やコスト、設置にかかる時間が大きく異なります。現場の条件や設計仕様に合わせて最適な工法を使い分けることが、不具合のない安全な設備環境を作るための第一歩となります。


・アングルフランジとの強度差

アングルフランジ工法は、L字型の重い鉄枠を溶接するため、圧倒的な強度と重厚感があります。一方、共板工法は本体を折り曲げるだけなので軽量で扱いやすい反面、極端に大きな風圧がかかる場所では振動や変形のリスクがあります。そのため、一般的なオフィスビルの空調には効率的な共板、火災時に大量の煙を吸い出す排煙ダクトなどには頑丈なアングルというように、用途に応じて強度のバランスを考えながら選定します。


・スライドオン工法との使い分け

スライドオンフランジ工法は、専用のレール状部材をダクトの端にはめ込む方法です。共板工法が製作スピードに優れる一方で、板厚(鉄板の厚み)が厚くなりすぎると機械での折り曲げ加工が難しくなります。そのため、標準的な薄い板なら共板、より高い気密性と強度が求められる中圧以上の環境ならスライドオンという風に、現場の仕様書や設置する機器の能力に合わせて最適な種類を使い分けることが必要です。


■ クリップ等による確実な施工




共板フランジ工法の品質を支えるのは、細かな部品による確実な接合です。ただダクトを並べるだけでなく、四隅や辺の接続部分を専用の金具で固定することで、建物全体の換気能力を維持します。設計通りの性能を引き出すために欠かせない、接続のポイントについて見ていきましょう。


・コーナーピースとボルト固定

接続部にはコーナーピースと呼ばれるL字型の部品を四隅に差し込みます。ここにボルトとナットを通し、工具でしっかりと締め込むことで、ダクト同士が強力に接合されます。溶接(金属を溶かしてつなぐ作業)を行わないため、現場での火災リスクが低く安全に作業を進められるのがメリットです。標準的な板厚(鉄板の厚み)のダクトであれば、この四隅の固定が構造上の中心となります。


・クリップで高める気密性

四隅を固定しただけでは、長い辺の部分から空気が漏れる恐れがあります。そこで、接合部の辺を挟み込むようにクリップという金具を一定の間隔で取り付けます。これにより、ダクト内部の気密性(空気が漏れない性能)が格段に高まり、効率的な空気の輸送が可能になります。メンテナンスや清掃の際にも、このクリップの脱着で対応できるため、将来の点検作業がスムーズになるのもこの工法の利点です。


■保温工事に適したフラットな構造



共板フランジ工法は、保温工事との相性が抜群に良い工法です。アングルフランジ工法のように接続部分が大きく外側に飛び出していないため、断熱材を隙間なくきれいに仕上げることができます。見た目の美しさだけでなく、エネルギー効率を高める上でも、このスリムな構造が大きなメリットとなります。


・断熱材を巻きやすいスリムな形状

フランジ(つなぎ目)がコンパクトなため、グラスウールなどの保温材を均一に巻きつけることが可能です。接続部の凹凸が少ないと、保温材の厚みを一定に保ちやすく、熱が逃げる原因となる隙間が発生しにくくなります。これにより、空調機器で作られた冷たい空気や温かい空気を、温度を変えずに遠くの室内まで届けることができます。施工後の見た目もフラットで美しく、限られた天井裏のスペースを有効に活用できるのも、現場での大きな利点です。


・結露を防ぐ隙間のない板金施工

屋外や湿気が多い環境では、保温材の上からさらに金属の板で覆う板金工事が必要です。共板工法のダクトは接合部が目立たないため、板金カバーを取り付ける際も、複雑な加工を最小限に抑えられます。継ぎ手がスッキリしていることで、雨水や湿気が内部に侵入しにくくなり、結露によるサビやカビの発生を強力に防ぎます。長期的なメンテナンスの回数を減らし、安全で清潔な換気環境を維持するためには、このスムーズな形状が非常に重要となります。



■まとめ



共板フランジ工法は、軽量さと施工スピードの速さから、現代の空調設備のスタンダードとなっている接続方法です。ダクト本体を折り曲げて成形する一体構造により、コストを抑えつつ安定した品質を維持できるのが最大のメリットです。


また、フランジ部分がスリムなため、保温工事がしやすく、断熱材を隙間なく巻きつけられる点も大きな特徴です。これにより結露を確実に防ぎ、エネルギー効率を高めながら建物の寿命を延ばすことにつながります。


■保温工事は沢井保温工業へお任せください!



沢井保温工業株式会社は、山口県岩国市を拠点に全国の現場で保温・板金工事を手掛けております。自社工場でダクト部材や板金カバーの加工・販売を直接行っているため、中間マージンをカットした適正価格でのご提案が可能です。さらに、平均年齢30歳の若手チームによる機動力を活かし、タイトな工期や急な仕様変更にも迅速に対応いたします。


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